紫陽花の美しい季節となりました。『山崎通信』第11号をお届けいたします。

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____山__崎__通__信____________2004.06.23_第11号
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┃松本のスイカ
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  信州松本が日本一のスイカの産地とは知りませんでした。
 150万個のスイカを仕分けするために、あんなにすごい機械設備が必要だった
 ことも。1日に出荷するのが4万個!全国に高速道路で運ばれます。

  73歳になる私の父は旧制松本高校の最後の卒業生です。
 今はなきバンカラの寮歌祭というお祭りでは、万年最下級生でした。1年先
 輩の北杜夫さんが書いた『どくとるマンボウ青春記』の世界。

  そんな松本に久しぶりで行けたのも、6月1日に発足した「農林水産業か
 ら日本を元気にする国民会議」の縁でした。榊原英資さんたちとご一緒しま
 した。
  「ここがだめになるなら日本の農業は終わりです」と気概に満ちておっしゃ
 る理事長をはじめ、松本ハイランド農協の皆さんは元気でした。1万1千戸の
 農家で230億円の売り上げを上げるいわば一大企業です。いただいたマップに
 はあらゆる高原野菜、スイカ、りんご、長いも、信州牛、もちろん米、ワイン
 までもが掲載されています。
 セロリが、おそばが、ワラビが、ほんとにおいしい。

  米は1トンごとに、単品管理で低温貯蔵されています。農協内のファーマー
 ズ・マーケットに並んでいるものはどれも新鮮で驚くほど安いのです。
 農協の直売所ですから、手数料は安く、農家が自分で品物を置いていきます。
 流通では規格外となる生産物でも、関係なく販売できます。

  都会にこのおいしさ、新鮮さがもっと伝わればいいのに。消費者に知らせる
 ことができればいいのに。逆に、消費者が何を求めているのか、なぜ買うのか
 買わないのかを、生産者が知ることも重要です。伸ばさなくてはいけないのは
 相互の情報伝達、そして情報を生かす知恵と力のように思われました。
 でも、実は、知恵と力のほとんどを、既に皆さんお持ちなのです。現にかなり
 成功しているのです。

  足りないのは、スパイス、触媒、インスピレーション、イノベーション、
 それらを組織化することですね。もっと成功するには、他で成功した人を求め
 切磋琢磨し、実際にやってみること。日本に人材はいるのです。ただ、発掘
 されていない、ほかで知られていない。だから、人を掘り出しつなぐこと、
 それが農業を変え、田園を変え、日本を変えるのではないか、そんなことを
 思いました。

  年金問題を争点にした選挙が始まります。
  年金問題は、高齢化社会をどうやって幸せにできるかという問題です。そし
 て、この問題がうまく解けた時に、高齢化にもっとも弱い東京という大都会に
 みんなが集まる時代は終わりを告げます。4割の人しか持ち家がなく、土地が
 高く財政難の東京で、多くの現役世代がこれから引退します。介護施設や病院
 は足りなくなります。介護保険に入っていても使えるとは限りません。
 狭い日本。せめて若者たちが喜んで田園や自然の中で働ける国にしなくては、
 日本は持ちません。食料の6割をいつまで輸入できるのですか?石油が無理
 ならせめて食べ物は自分たちで作る国にしましょうよ。

  本当の争点ははっきりしています。
 松本ハイランド農協の理事長もおっしゃいました。「地方が主役の時代が来
 る。」それに賛成するか抵抗するか。これが本当の選択です。地方が主役の
 時代が来てはじめて、東京も生まれ変われるのです。
 もちろん、そのときは、高速道路はタダにできますよね。


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 ◇書籍◇ 紀伊国屋書店全店 社会政治部門1位(6月第1週)
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 おかげさまで、大反響で迎えられています。

 『大人のための税金の絵本 高速道路はタダになる!
       子供にツケをまわさない、増税不要のカシコイ税金の使い方』

               著:山崎 養世 (山崎養世事務所代表)
                 吉田  寛 (公会計研究所代表)
              発行:新風舎
              価格:990円(税込)

  [ http://www.yamazaki-online.jp/book/040615.html ]

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┃ [最終回]
┃「『無料化 対 民営化』高速道路が通る日本の分かれ道」知事の時代が来る
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  道路財源は、年間9〜10兆円の予算が組まれている。そこから、高速無料
 化のための費用となる約2兆円を差し引いても、地方交付税とほぼ同額の
 年間7〜8兆円の予算が残る。この予算を都道府県に配分してみてはどうか。
 道路特定財源を都道府県に一括交付金として平均して配分した場合、年間約
 1,500億円が自治体の予算となる。

  そこで、自治体には、不要な道路建設返上権や地域開発計画に関する権限
 を増やすことで、効率的な道路建設を促す仕組みを作る。道路建設の予算が
 余れば、その分を介護や教育などに使えるよう一般財源化すれば、最小限の
 財源で、最大限の効果が得られるようなインセンティブが働くはずだ。

  そして、国土交通省が各知事に対して定量的、定性的な評価を与えること
 で自治体間の競争が起き、効果が高まる。
  「所得効果ランキング」、「税収アップランキング」、「生活向上度ランキ
 ング」など、あらゆるランキングをとることで、知事は国からも住民からも
 監視されることになり、緊張感が生まれるはずだ。しかも自治体は、自ら地
 域開発の計画を作ることで、サービスエリアやパーキングエリアを公開入札
 などにより広く民間に開放すれば、多角化し収益を上げることも可能となる。
 道路建設と地域開発の両方を自治体が担うことは、真の三位一体を実現する
 突破口となる。知事の時代がやってくるのだ。

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  ☆ バックナンバーは、『山崎オンライン』でご覧いただけます。
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 「『無料化 対 民営化』高速道路が通る日本の分かれ道」
   http://www.yamazaki-online.jp/voice/index.html


● 次号は2004年7月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

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