梅雨明けも近くなってきました。『山崎通信』第12号をお届けいたします。

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____山__崎__通__信____________2004.7.9_第12号
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┃○○の耐えられない軽さ
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 映画『存在の耐えられない軽さ』のジュリエット・ビノシュは魅惑的でした。
 喜劇「日本の耐えられない軽さ」の小泉純一郎は・・・。

 何百万の日本人、何百万のアジア人、何十万のアメリカ人、そして何万の
 ヨーロッパ人の命と引き換えに、戦後日本は専守防衛の国になったのではな
 いのですか。
 「大義」に基づく先制攻撃を、今日はイラクで、明日は北朝鮮、イラン、
 シリア、あるいはスーダンで行うかもしれない。そんなアメリカにくっつい
 て、日本も外国を先制攻撃する国になるのですか。
 そんなことは今の憲法では許されない。だから、憲法改正を提案するので
 はなかったのですか。もう憲法改正は必要ないですね。総理大臣は憲法を超
 えた存在になったのでしょう。説明責任は誰が負うのですか。
 第一次大戦後の多国籍軍であるシベリア出兵に参加してから、日本は軍事
 侵略の道を走り出しました。そんな悲惨な歴史の教訓はどう生かされるので
 しょう。
 こんなことを小泉さんに聞いてもムダですね。答えは「そんなこと私が知
 るわけない」ですよね。そんなあなたに異国の地に送られた若者が犠牲にな
 ったら、「人生いろいろ」ですか。

 でも、小泉さん、最後にすばらしいオチがありますね。
 あなたが胸を張る経済回復の主役の大企業は、日本を捨てて中国に移転して
 から利益を上げています。そのおかげで、日本に納める税金は減ります。
 そして、東京以外の地域と若者にはなかなかチャンスがありません。団塊の
 世代の引退とともに、2010年頃には国際収支の悪化が財政の崩壊と同時にや
 ってくるでしょう。あなたが強化している軍事大国日本の予算を支えるのは、
 外国からの借金になります。
 はっきり言えば、あなたの東京中心の経済政策によって、日本は中国に国
 債を買ってもらわなければ防衛予算が組めない国にまっしぐらです。それな
 のに、タダでさえ難しい中国を刺激して両国民の敵意を高めるのですか。
 日本の喜劇が21世紀の世界の悲劇にならないことを願います。

 小泉政権の喜劇の本質は、いまだに日本列島改造論で田中角栄が完成させ
 た戦後型の経済・政治システムに乗っかりながら改革を叫ぶことにあります。
 過密と過疎を放置した東京中心の経済システムは、21世紀の少子高齢化と
 中国やインドの台頭とが組み合わさったとき、日本の悲劇に対する抜本的な
 解決策としてはまるで力不足なのです。

 これでいいのでしょうか。


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┃中央公論に発表します。『ふるさとからの資産10倍増論』
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 中央公論8月号(7月10日発売)に論文を発表いたします。
 タイトルは、『高速道路無料化論が立ち向かう戦後経済モデルの壁〜ふるさ
 とからの資産10倍増論』です。
 日本の危機の本質を指摘したうえで、21世紀に日本が尊敬される国であり
 つづけるための経済・政治の本質的改革を提案しています。ぜひご一読くだ
 さい。

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● 次号は2004年8月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

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