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____山__崎__通__信____________2005.10.07_第25号
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関係者様
『山崎通信』第25号をお送りいたします。
お知り合いの方にも、このメールを転送いただければ幸いです。
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┃小泉さん、ありがとう
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小泉さんがついに「道路の権力」の解体を決意しました。これまで誰も手を
つけられなかった道路財源の見直しを、総選挙後の所信表明演説で明らかに
したのです。小泉さんは、道路公団の民営化が自分の意図とかけ離れたもの
になって談合と天下り体質が温存されたことにすさまじい怒りを覚えたと
伝えられています。飯島秘書官に向かって「こんなやつらは許さない。」と
激しい言葉を投げつけたのです。その場でこれからの計画が明らかにされ
ました。
4年前に小泉政権ができたときには、すでに道路公団民営化の大筋は決まっ
ていました。道路族、建設官僚、財務省、業界と改革の圧力との妥協の産物
といっていいものでした。高速道路はいままで通り作り続けます。道路特定
財源や高速料金体系には手をつけません。但し、新規建設へ一定の歯止めを
かけます。40兆円に上る道路公団の借金は、国鉄の場合と同じく道路公団
から切り離した別の特殊法人に持たせて、実質国民負担にします。借金負担
がなくなった民営化会社にホテルやショッピングセンターまでやらせれば、
優良会社に見えます。民営化成功→株式上場→財政貢献、というコースを
たどる、というシナリオが作られました。このプランを推進するために道路
関係四公団民営化推進委員会に在野の評論家を抜擢し、マスコミで民営化案
を売り込むと同時に、批判する人への言論攻撃を実施することまで決められ
ました。まだ党内基盤が確立していない2001年当時、小泉さんが道路の本格
的な改革を行う環境にはありませんでした。巨大な道路事業の配分を握る
政官業の鉄のトライアングルこそ自民党政治の本丸であり、特定郵便局長を
バックにした郵政族の比ではないからです。
だがいまは違います。郵政解散総選挙で小泉さんは圧勝し、道路族のドンで
すら、いまは小泉さんに恭順の意を示さざるを得なくなりました。いまを
おいて古い自民党の象徴である道路の権力を解体し、自民党を大都市の
無党派層に支持される多数派政党に本格的に脱皮させるチャンスはないの
です。小泉さんは周到な計画に着手しました。
まずは次の小泉サプライズです。道路公団民営化会社の廃止と高速道路の
無料化を突然発表します。民主党の政策を大胆に取り込んでしまうのです。
同時に、官民の談合をやった当事者たちが民営化会社の経営者にそのまま
居座ることへの世論の反発を利用するのです。当然自民党内からすさまじ
い反発が出てきます。そのときに切り出すのが道路特定財源の見直しです。
道路族にとっての弱点は、いまの税金のからくりです。
日本は世界一高いガソリン税をはじめとして9種類もの税金を自動車ユー
ザーから徴収し、そのほとんどを高速道路以外の一般道路の建設に回して
います。おかげで、8割が山という国なのに国土面積あたりの道路面積の
割合は人口2,000万人以上の国でトップであるとされています。すでに道路
は十分あるのです。ところが、いまだに総税収の2割にも当たる9兆円もの
税金を一般道路の建設に当てています。英独仏伊4カ国の道路投資額合計
よりも多いといいますから、すさまじい金額です。最大のポイントは、高速
道路ユーザーが払っている税金です。高速道路の上でも当然ガソリン税を
払っています。その他の税金も含めると道路財源の約3割程度は高速道路
ユーザーが払ったものなのです。ところが、その税金は高速道路には使われ
ずに、一般道路に回されています。そしてちょうどそれに匹敵する金額を
高速料金として徴収しています。二重取りです。
この道路財源のからくりこそ、20世紀中には高速道路をタダにすると田中
角栄さんが約束しながら、いまだに世界一高い通行料金を取り続けている
原因なのです。だから、高速道路で取った税金を高速道路に使えば料金は
要らなくなります。それをいままで阻んできた道路財源の配分を握る鉄の
トライアングルをいまなら壊せることを小泉さんは鋭くかぎ分けたのです。
計画が成功するためには味方が必要です。産業界が味方になることはすぐ
に分かります。自動車やトラックのユーザーである民間企業にとって、
高速道路無料化でコストが大きく下がります。問題は政治です。自民党の
国会議員を敵に回して、誰を味方にするかです。そして官僚機構をどう
やって味方にするのか、これが難問でした。一方、国土交通省が高速道路
を作り続けるのならばムダ遣いはなくならない、という批判が出てくる
でしょう。地方の反発も予想されました。いくらこれまで道路を作りすぎ
だといっても、一般道路の建設に回す金を減らせば地方は不満です。さら
に高速道路がタダになれば、渋滞になる、事故が増えると心配する人も
多いでしょう。暗礁に乗り上げてしまいました。
そこで、小泉さんはあっと驚くような解決策を提示しました。高速道路を
無料化するために、まず道路財源の中から年間2兆円の財源を確保します。
21世紀の日本を世界一のエコ・カーと無事故技術の国にするために、さらに
1兆円を確保します。もともと高速道路上での死傷事故発生率は、一般道路
の十分の一程度です。また環境面では、二酸化炭素排出量は、一般道路を
走行した場合(時速20キロ)に比べて約4割削減されます。ここまでが国の
責任です。残りの道路財源6兆円はすべて地方に配分してしまうのです。
これからは高速道路を含めた道路は、その地方が自分の責任で建設・維持
するのです。その代わり財源は一定です。足りなくなったからといって国が
補填はしません。やる気のある地方にとって大きなメリットになるように、
余った道路財源はその地方が自由に使えるようにします。いままでの発想と
逆なのです。高速道路が無料になり、一般道路と接続する出入り口を大幅に
増やせば、いまある道路の輸送量が飛躍的に増えます。本音では要らない
道路を地方が作る必要が大きく減ります。道路建設を節約すればするほど、
介護や教育、環境など地方で予算が足りないところに使えるようになるの
です。予算分捕り競争から予算節約競争になります。節約競争を進めるの
が、国の権力で強制的に行う情報公開です。一円にいたるまで各地方の
道路財源の使い方を監視するだけではありません。余ったお金でどのような
政策効果が上がったのか、雇用、税収、健康、教育成果など幅広く公開させ
ます。隣の県との競争が始まります。そして、節約をしたお金で地方を豊か
にした政治家や役人が出世するメカニズムが働きだします。霞ヶ関から地方
への人材移動も起きるでしょう。地方からの財政再建と道路財源の一般財源
化が進みます。こうした小泉さんの趣旨が理解されて、リーダーである知事
や市長たちが高速道路無料化に賛成に回りました。自民党の国会議員も地元
の強い要望に押されて賛成に回らざるを得なくなりました。
道路の主権を地方に渡すことは、国土の主権を地方に渡すことにつながり
ます。そのためには、地方に環境計画、都市計画、町並み保存、中心市街
地の空洞化防止を義務付けます。計画が整わないところには道路予算は
渡しません。国の役割はこれまでの道路作りのプレーヤーから、情報公開
の監視者、国土計画のシステム設計者に変わります。小泉さんの頭にある
のは、護送船団方式のプレーヤーから民間の監視者に変身することに
よって成功した金融行政だといいます。道路の場合は、国が地方の監視者
になることによって地方間のフェアな競争を促進して活性化を図る戦略
です。
ところが思わぬところから反対がでてきました。計画を漏れ聞いたJRと
私鉄です。高速道路が無料になったら商売上がったり、というのです。
この不満にも小泉流の解決策が示されました。「鉄道会社は道路もやった
らいいじゃないか。」というのです。高速道路無料化で全国に2,000も新設
される高速道路の出入り口の一部は鉄道の駅と結びつけ、鉄道会社にバス
事業と駅前開発を認めるというのです。人口の多いところまでは鉄道、
それから先はバス、それもハイブリッドのエコバスにします。これに
よって通勤通学客を大きく獲得できます。鉄道会社が総合陸上輸送会社に
なり、地域開発会社になれます。そこに道路公団の職員を再雇用してもら
おう、という話にまでなりました。役所やゼネコンを飛び出して、地域
開発の会社を立ち上げてIPOを目指す元気な人たちまで出てきたのは驚き
でした。
やがて本当に日本の高速道路がタダになる日がやってきました。前日の深夜
から不思議な光景が全国で見られました。ハンマーやつるはしを持った大勢
の人たちが全国各地の料金所付近に集まりました。時計が午前零時をさした
瞬間、人々は料金所を壊し始めました。壊したコンクリートを投げる人も
いますが、記念に持って帰るという人がほとんどです。やがて人々は高速
道路の上で行進を始めました。やっと自分たちのものになった高速道路を
自分の足で踏みしめて歩くのです。アクアラインで、鳴門大橋で、東名御殿
場で、関門橋で行進は続きました。そして、朝日が昇りました。誰言うとも
なくバンザイの声が起こりました。「小泉さん、ありがとう」という大合唱
も聞かれました。
ようやくアクアラインから人波が引き、片付けが終わった昼下がり、友人
の渡辺さんが木更津を出発しました。渡辺さんは去年退職金をはたいて
買ったキャンピングカーで、祖父の出身地である出雲を目指すというの
です。もう料金所で止められることはありません。ETCカードは捨てまし
た。のんびり走って一週間、ついに初めての出雲に着きました。青々と
した海が広がります。その向こうには韓国があるはずです。聳え立つよう
な出雲大社が見えます。田んぼの稲が風を受けて光っています。渡辺さん
は懐かしいような悲しいような気持ちになりました。やっと帰ってきた
ような気がした。ふいに、またここが日本の中心になるような気がして
きました。
目が覚めました。テレビがついたままです。道路公団民営化会社の社長
の会見はとっくに終わったようです。ご飯が炊けるにおいがします。外は
夕暮れ。犬が鳴いています。散歩にでも出るとしましょう。
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┃「東京ファーマーズマーケット2005」開催のお知らせ
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山崎が運営委員を務める「東京ファーマーズマーケット2005」が開催され
ます。
11月1日(火)〜6日(日) 会場:丸ビル、東京国際フォーラム等
詳しくは、 http://pp.gnavi.co.jp/tfm/index.html をご参照ください。
全国から元気な生産者のみなさんが集まり、消費者のみなさんと直接交流を
図るというイベント「東京ファーマーズマーケット2005」。
会場では、生産者のみなさんが手塩にかけて作り上げた自慢の食材をお買い
求めいただけます。
また、「食」に関するセミナーも開催されます。
セミナーの詳細は、以下のアドレスをご参照ください。
http://pp.gnavi.co.jp/tfm/seminar/schedule.html
セミナーのテーマをいくつかご紹介します。
「おいしい野菜の時代」
「フレンチを楽しもう!」
「家庭料理で子育て」
「健康のための食生活(医食同源)」 などなど。
みなさん、ふるってご参加ください。
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