関係者 様

春まだ浅き今日このごろ、皆さんはお元気でいらっしゃいますか。
『山崎通信』第29号をお届けいたします。

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____山__崎__通__信____________2006.2.6_第29号
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┃頑固さも時には必要
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 1月14日の読売新聞1面トップ記事(14版東京本社)の見出しは、「高速道
 計画全線を建設」「国交省方針一部区間は税金で」「公団改革形骸化」と
 いうものでした。全文は当該記事をご参照いただきたいのですが、見出し
 のあとの要約部は、「『無駄な道路を造らない』目標で進められてきた
 道路公団改革は、早くも形骸化した格好だ。」と結ばれていました。

 当然の帰結といえるでしょう。本通信読者諸氏には耳タコで恐縮ですが、
 道路公団民営化とは、(1)道路特定財源の使途には手をつけない、
 (2)高速道路建設への国の関与に手をつけず、一般道路を含めた道路建設
 の総量は守る、(3)40兆円に上る道路四公団の借金返済は先送りする、と
 いう制約の中から出てきた「改善案」にしか過ぎないのです。2001年に閣
 議決定したときには、道路族はかくも強かったということでしょうか。

 しかし、時代は変わりました。小泉首相は、2006年末までに道路特定財源
 を一気に一般財源に変えろと指示しています。ということは、2007年以降
 一般道路の建設は大幅に減るということでしょう。一方で、国土交通省は
 高速道路の建設を以前の計画通り進めるのでしょうか。

 時代は変わりました。かつて高速道路無料化は「まやかし」とまで言われ
 ました。でも、(1)道路特定財源を見直し、(2)高速道路で徴収してい
 る3兆円の税金を一般道路の建設でなく、道路公団の40兆円の借金返済に充
 てる、(3)その分道路建設の総量を減らす、というのが高速道路無料化の
 骨子です。低金利のいま、道路公団の債務を国が継承して借金返済の受け
 皿になり、道路公団の後身である特殊法人と民営化会社を廃止すれば、最
 小コストで高速道路無料化が実現し、道路建設は一本化します。無料化で
 地方を中心に大きな経済効果が期待できるため、道路建設の減少が地方経
 済と税収に及ぼすデフレ効果を相殺できます。

 いまの道路公団民営化は、小泉改革以前の世界のデジャヴです。しかし、
 小泉首相の提唱する道路特定財源の単なる一般財源化は、地方へのデフレ
 政策になる上、自動車ユーザーにメリットがありません。世界一高い高速
 料金が日本経済のコストを高止まりさせ、過密と過疎の国土から抜け出し
 にくくなります。

 民営化でも一般財源化でもない、第三の道である無料化を、国政の場で
 正面から議論してもらいたいものです。かつて、小泉さんには「まやかし」
 呼ばわりされながらも、民主党は過去3回の国政選挙で高速道路無料化を
 かかげて戦ってくれました。国民のための選択肢を提示し続けたことに
 感謝しています。いまこそきちんと論戦を挑んでほしいものです。

 小泉さんは、中身はともかく、郵政民営化を10年以上唱えました。いい国
 を作るためにはそんな頑固さも必要ではないでしょうか。


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┃《ざ・こもんず》スタート!
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 「これでいいのか、日本!」と憂えている第一線のジャーナリストをはじ
 め様々な分野の知の達人たちが、それぞれ自由に発信し、またお互いに議
 論を交わすインターネット上の情報空間を共有しつつ、それを広く一般読
 者・視聴者に無料で開放する新しいサイトがスタートしました。
 それが「The Commons《ざ・こもんず》」です。
  http://www.the-commons.jp/

 ジャーナリストの高野孟氏にお声をかけていただき、小生もこちらのサイ
 トに欄を設けさせてもらいました。こちらからも情報発信をしていきたい
 と思っております。当サイト上では、様々な分野の論客たちのコラムをご
 覧いただけます。ぜひ一度チェックしてみてください。


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● 次号は2006年3月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

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