関係者 様

春とはいえまだ寒い日がつづく折から、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
『山崎通信』第30号をお届けいたします。

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____山__崎__通__信____________2006.3.10_第30号
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┃情けなくも胸をなでおろしてから、心配になった話
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 このメール騒ぎが、ホリエモン問題でよかった、と思った方もおられたかも
 しれません。もし、外国が攻撃してきた、という「秘密情報」がある筋から
 もたらされていたら、どうなっていたでしょうか。日本もミサイルを打ち
 返すかどうか決めなくてはいけない、としたらどうしたのでしょうか。
 もし、野党の党首ではなく、総理大臣だったらどうしたのでしょうか。
 そんな大げさな想像をしてしまいます。

 情報の真偽を確かめないのでしょうか。重大情報をもたらした本人に会わ
 ないのでしょうか。専門家に真偽を調べさせないのでしょうか。なぜ、
 確かめもしないで、大事な真相を握っていると発表するのでしょうか。
 相手の首を取りに行く質問なら、自分の首もかかっていると考えて、真剣に
 取り組まないのでしょうか。どうして組織のトップが、かくも無防備なので
 しょうか。わからないことだらけです。

 さらには、なぜ内部の人材の経験や人脈やネットワークを生かせないので
 しょうか。なぜ、隣の人に一言言わないのでしょうか、一言聞かないので
 しょうか。「ホウレンソウ」という言葉があります。報告、連絡、相談。
 組織のイロハだといいます。政党には不要なのでしょうか。広報、人事、
 組織。そんな機能はないのでしょうか。今回は重要人物とその家族の名誉と
 地位の問題でした。これが、国民の財産や命に関わる問題だったらどうなる
 のでしょうか。
 
 こんな政党に国を任せられるのでしょうか。政権交代していいのでしょう
 か。そんな思いで見た方も多いでしょう。小さな問題に始まって、大きな
 問題になってきました。野党の危機です。民主主義の危機です。

 自民党と一緒になればいいのですか。大連立ですか。そうなれば、国会も
 選挙も国民の意思決定の場ではなくなります。選択肢はなくなります。
 国会はハンコを押す場になります。

 かつてそんな時代がありました。戦前最後の政党内閣である自由党の犬養
 毅首相は、1932年(昭和7年)に暗殺され、日本の戦前の政党政治はなく
 なりました。それ以降の大政翼賛政治には、異なる観点から大事な国益を
 論じる場はなくなりました。

 明治維新以後の日本は、排他的経済圏を軍事力で広げようという、西欧流
 の植民地主義一辺倒ではありませんでした。西郷隆盛と自由民権運動の
 流れを汲んで、アジア諸国でも明治維新のような近代化を支援しよう、と
 いう大きな流れがありました。その代表の一人である犬養毅は、多くの
 アジアの独立運動の闘士たちを助けました。中華民国の国父であり、共産
 中国でも尊敬される孫文の陵墓「中山陵」が完成したときに、蒋介石から
 国賓として、頭山満とともに招かれたのは、護憲政治家である犬養毅でし
 た。1929年のことです。その二年後に関東軍が起こした満州事変を収拾し、
 中国との関係改善を図ろうとする犬養毅を、軍人が暗殺して政党政治は
 終わりました。

 そのときの日本が、犬養毅を尊重し、本当に東洋との共栄の道を選んで
 いれば、日本は今ごろアジアで尊敬される国家だったであろうに、と無理
 な夢想をします。

 民主主義においては、政府だけでなく、野党の使命も重く、国民への責任
 は重大です。日夜多くの政治家の皆さんが精励されているのを承知の上で、
 野党の真の確立を願います。


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┃政策金融に関する論考(時事トップコンフィデンシャル2月14日号)
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 時事トップコンフィデンシャル2月14日号に、
 
 「再評価すべき政策金融の役割
  官と民、相互補完が国民の利益に」 と題する論考が掲載されました。

 現在8つある政策金融機関の一本化が議論されていますが、それが本当に
 正しいことなのか検証しております。
 
 以下のアドレスに掲載されておりますので、是非ご覧になってください。
  http://www.yamazaki-online.jp/kinyuron/pdf/20060210_jijitc.pdf


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● 次号は2006年4月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

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