関係者様
朝夕の風に秋の涼しさを感じるこのごろ、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
少々遅くなってしまいましたが、夏休みの感想を『山崎通信』第34号として
お届けいたします。
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____山__崎__通__信____________2006.9.11_第34号
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┃8月のヨーロッパ
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飛行機は着陸体勢に入りました。長かったフライトも終わりです。でも、
これから乗り換え。プラハに着くのは夕方になるはずでした。荷物の
チェックインや入国審査はないはずですが、空港でどうやってヒマを
つぶそうかと考えていたときでした。妙なアナウンスがあるのです。
「全員降りて入国検査をして、荷物を取ってください。」と言うのです。
そのうえ「今日のフライトは全てキャンセルされたので、速やかに空港の
外に出るように。」というのです。さらに「テロリストが逮捕されたから
空港は閉鎖される。」という説明が続きました。
こうして8月10日にヒースロー空港に着きました。明日以降のフライトに
ついて聞いてもこの番号に掛けろと紙を渡されただけでした。英国航空が
指定した空港近くのホテルからその番号に電話してもつながりません。
日本の旅行代理店から予約して、ようやくプラハ行きの便が取れましたが、
飛ぶ確証はないとのこと。テレビやネットで液体の爆発物を持ちこもうと
して20人以上のアラブやパキスタン系のイギリス人が各地で逮捕された
ことを知りました。
次の日に、空港のターミナルに入りきれずにあふれた乗客たちをかき分ける
ようにしてプラハ行きの便にようやく乗り込みました。
それから訪れたプラハは、そんな緊張とは無縁の中世がそのまま残った
ような町でした。クリムトのように装飾的で美しい町でもありました。
美しさではブダペストもウィーンも素晴らしかったです。
三つの町は歴史の中でイスラムとの深いかかわりがあります。プラハは神聖
ローマ帝国の首都でしたが、首都は後にウィーンに移りました。最盛期のオス
マントルコ軍に包囲されたウィーンが最後まで陥落せず持ちこたえてから、
ハプスブルク家の繁栄が始まりました。ブダペストはオスマントルコに
100年以上にわたって支配されました。しかし、600年続いたオスマントルコ
も、オーストリア=ハンガリー帝国とともに第一次大戦によって滅びました。
中東は民族自決の名の下に小さな国に分かれました。
そして、三つの町は全てナチスドイツの支配下に置かれ、ユダヤ人の多くが
殺されました。異物のように長年にわたって迫害され続けたヨーロッパの
ユダヤ人に止めを刺す大打撃でした。戦後は、プラハとブダペストはソ連圏
に、ウィーンは中立国になりました。ユダヤ人の多くはヨーロッパに戻る
ことができずに、アメリカに渡ったり、イスラエルの建国に希望を抱いて
移住しました。
いま、かつてヨーロッパにいたユダヤ人とほぼ同じ数のムスリム(イスラム
教徒)がヨーロッパに住んでいるといいます。まるで入れ替わったようです。
トルコ人のように戦後の労働力不足の時代にドイツに歓迎され、今は邪魔者
扱いされている民族もいます。貧しい祖国を出た若いムスリムたちは、
ヨーロッパに移り住んで見えない壁と戦い、なかなか社会に受け入れられず
に苦しんでいます。
一方で、アメリカやイギリスに支援されてパレスチナに強引に国を作った
ユダヤ人は、ますます激しい戦いをパレスチナ人やアラブ人と繰り広げて
います。イラン人はヒズボラを支援し核への意志を隠そうともしません。
アメリカは、イラク戦争以来、多くのアラブ人にとって大いなる敵国に
なりました。
深く難しい関係です。どんな出口があるのでしょうか。共存は可能で
しょうか。
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┃年金政策に関する論考(『Voice』10月号)
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9月10日発売の『Voice』10月号(PHP研究所)に、
「郵便局が年金の担い手」と題する論考が掲載されました。
制度への不信感が残る年金問題において、いまやあまり耳にしなくなった
民営化後の郵便局を取り込んだ新しい視点を提供しています。
お手にとってみていただければ幸いです。
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● 次号は2006年10月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに!
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