東京では八重桜も散り始め、街行く人々も初夏の装いとなってきました。 『山崎通信』第9号をお届けいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ____山__崎__通__信____________2004.4.23_第9号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃◇テレビ◇ 「ビートたけしのTVタックル」に出演いたします ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年4月26日(月曜日)テレビ朝日系全国ネット 21:00〜21:54 放送 ………………………………………………………………………………………… 出演者:ビートたけし、阿川佐和子、江口ともみ、浜田幸一、武見敬三、 原口一博、末松義規、三宅久之、猪瀬直樹、山崎養世 (いずれも予定) ◆今回の放送内容: 武力衝突が激しさを増すイラク情勢、道路改革をめぐって荒れる国会審議に ついて第一線のパネリストたちを交えてタックル流に徹底討論します。 ……………………………………………………………………………………… 「ビートたけしのTVタックル」 各方面の論客を迎えて喧々諤々盛り上がる、日本一熱い討論番組。 気になる外交・国防問題や構造改革の是非など次々と政治ネタを取り上げ、 高視聴率をマークしています。 ……………………………………………………………………………………… 私は、国内政治(道路)ブロックに出演いたします。 お忙しいとは思いますが、私が主張している高速道路無料化がどうすれば 実現するのか、民営化案のどの部分が問題なのかをご理解いただくよい 機会と考えておりますので、ぜひご覧ください。 ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃日本を滅ぼすかもしれない法律が通ろうとしている ┃ 〜 4月20日の衆議院国土交通委員会へ参考人として出席しました 〜 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月20日に衆議院国土交通委員会で、高速道路民営化vs無料化について 参考人として意見を陳述しました。ようやく民営化と無料化の全体像、国の かたちへの影響だけでなく、実現可能性について具体的な分析を示す場が 与えられました。 秋田県知事が「無料化法案が通るのが当然。民営化はありえない。」と陳述 しました。2時間半にわたる議論が終わってからは、質問に立った与党の 議員ですら「あなたの『無料化』に賛成ですよ。」と挨拶をしてくれました。 さらに、同日午前中に行われた質疑では、榊原英資、佐藤隆三、両 教授から「日本の民営化は世界の非常識」との発言がありました。しかし、 国会の“数の論理”で、経済破綻化法案である民営化法案が成立しようとして います。 2年半前の2001年11月に道路公団民営化が閣議決定されました。 子供たちにとんでもない重荷を負わせることを決めようとしていることに、 私は強い衝撃を受けました。しかも、改革の衣をまとい、一見正しいことに 見えるから恐ろしい。それ以来、民営化にはNO、無料化こそ正しい日本の 選択だと訴えてきました。 ゴールドマン・サックスをやめて、2002年4月の徳島県知事選挙で知事連合に よる無料化の実現を訴えました。昨年1月の菅直人さんとの出会い以来、 民主党に協力して無料化を訴えてきました。いまは、国民の利益ではなく、 政治の“数の力”と“デマゴーグのイメージ作戦”で物事が進むことに無力を 感じます。 しかし、希望もあります。時間をかけて説明すれば、立場は違っても多くの 人が日本のためには無料化が正しいね、とわかってくれることです。50年に わたる天才角栄さんのマインドコントロールが、一度で解けるわけはないの です。 「角栄さんが生きていたら、あなたの言うとおり、いま、タダにしますよ。 あの時は料金を取って整備するのが正しかった。でも、いまは無料にするのが 正しいんですよ。」とおっしゃっていただいた大先達の言葉を励みにしていき たいと思います。 それが日本を、地域が平等で、移動の自由がある民主的な国にすることにつな がると思うからです。 民営化案の最大のリスクは40兆円に上る道路4公団の借金を45年にわたって 先送りすることです。これから45年間の日本の金利が、政府が想定する4% から8%に上昇するだけで1年分の全税収が吹き飛びます。14%になれば、 年金の積立金全体が借金返済に消えていきます。金利がそんなに上がるはずが ない、と言い切れるでしょうか。アメリカの金利は、黄金時代といわれた 40年前には4%、財政悪化、石油価格上昇、貿易赤字と転落していった20年前 には16%に達したのです。 少子高齢化でこれからますます財政が悪化していく日本。中国にどんどん工場 を移せば、将来の日本は輸入国家になっていきます。ちょうどアメリカが国内 の工場をたたみ、海外に出て行くことで世界一の貿易黒字国から世界一の赤字 国に転落したように。そして、金利が急上昇したように。 さらにいま、石油の消費は世界で急増しています。日本は、団塊の世代が引退 する2010年ぐらいから高金利の時期に向かうのではないでしょうか。 民営化案では、45兆円の借金を変動金利で借り換え続けていくから金利上昇の リスクは巨大です。そのリスクを道路4公団でなく国民が負担するのが民営化 案なのです。だから、低金利が続くいま、この借金を処理しなくてはいけま せん。 低い固定金利で発行が可能な国債を発行して、低い金利コストを確定するしか ありません。40兆円の借金を肩代わりできるのは、新規財源債(いわゆる30 兆円枠)と、借換え債や財投債をあわせれば、年間162兆円も発行される国債 市場しかないのです。年間の発行が全体でわずか7兆円のうえ、金利が高い 民間債に頼るしかない民営化では、40兆円の借金返済は先送りする以外ありえ ません。その上民営化案では、借金で最終的に破綻したときには、国民が すべて負担する仕掛けが施されています。「上下分離」です。国家による 「飛ばし」です。道路4公団の借金の責任から見事に逃れられるのです。 国が道路4公団の借金を返せば、高速道路は無料になります。1972年に、 「2000年には日本の高速道路を無料にする」といった田中角栄内閣当時の 約束を守るだけのことです。 日本の自動車ユーザーは10兆円に上る税金を取られています。ガソリン税や 自動車消費税、重量税など9種類もの税金をです。そのうち約3割が高速 道路を使った分にあたります。ところがその税金は、高速道路の整備には 使われず一般道路に回っています。そして、通行料金を取られています。 高速道路ユーザーは二重取りされています。二重取りをなくして高速で取 られた税金を高速道路に回せば、料金を無料にして借金を返してもおつりが 来ます。 道路4公団は、いわば政府の隠れ借金である財政投融資の最大の借り手です。 その組織そのものと、今ある借金をなくすインパクトは計り知れないものが あります。また、無料化して公団を廃止することこそが、道路の無駄遣いを なくします。永田町、霞ヶ関から知事に道路の予算を渡し、道路を早く安く 作って節約した分をその地域が使えるようにすれば、予算を多く取ることで 競走する中央集権の無駄遣いシステムが変わります。徹底した情報公開が カギです。そして、政治が変わります。 国会議員や中央官僚に頭を下げなくても、地域のことは地域で決める時代に なるでしょう。 これからの日本は、ドイツのような国土を目指すべきです。無料の高速道路 アウトバーンがあるから移動は自由です。車道の横には必ず自転車道、歩道が 整備されています。車社会のTPOが確立しているといえます。古い町並み の中心には高速道路どころか車を入れないので、人間が主役です。至るところ にある風力発電の風車。食料自給率は100%。田舎が豊かだから、田園のなか の町や村に多くの国民が住んでいます。通勤時間は日本の3分の1。 いまだに、京都の真ん中にまで高速道路を作ろうとする日本。まだ分からない のでしょうか。自分たちの一番大切なものを破壊し続けていることを。地域 住民の意向を無視し、利権の道具になった日本の道路。その最たるものが高速 道路。それを改悪してますます国民の手の届かない独占企業にして、借金だけ は国民につけ回す。 どうせ45年たったら俺たちは生きてないよ、とうそぶきながら。 「道路の権力」を告発したはずの人が、そのお先棒を担ぐ。このイカサマ民営 化によって経済大国日本が転落の道をたどらないように、これからも響きあう 輪を広げて無料化を実現したいと思います。皆様のお力をいただければ幸い です。 *参考人質疑の際に使用した資料を、山崎オンラインに掲載しております。 これまでの議論をまとめ、具体的な数字を中心に比較判断材料を提供すると 同時に、無料化の具体策を呈示しています。 http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/pdf/witness_040420.pdf *参考人質疑の模様が下記「衆議院TV」のURLよりご覧いただけます。 「ビデオライブラリ」⇒「(開会日)2004年4月20日」⇒「(会議名) 国土交通委員会」の欄右に⇒「(案件・発信者情報)参照」をクリック ⇒「(発言者一覧)山崎養世」の順に開いてください。 http://www.shugiintv.go.jp/top_frame.cfm /_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ● 次号は2004年5月中旬にお届けいたします。どうぞお楽しみに! ……………………………………………………………………………………… ★メールアドレスの変更をご希望の方、またメールをご不要な方は、 下記URLよりお手続きをお願いいたします。 ◇メールアドレス変更 : http://www.yamazaki-online.jp/change.html ◇メールマガジン解除 : http://www.yamazaki-online.jp/stop.html ★また『山崎オンライン』上でも、随時、変更・停止手続き可能です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ──● 山崎オンライン事務局 ─■⌒■─────────────────────────────── http://www.yamazaki-online.jp/ E-mail: yyonline@yyoffice.co.jp ○出所の明記をする限り、転送・転載は自由です(ご連絡頂ければ幸いです) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |