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____山__崎__通__信_______________2005.03.23_
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号外をお送りいたします。
お知り合いの方にも、このメールを転送いただければ幸いです。
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┃これから日本株が上がるわけ
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朋友(とも)あり遠方より来る、また楽しからずや。
ジェームス・アベグレン著『新・日本の経営』はそう感じる本でした。
ジェームス・アベグレンさん、親しみをこめてアベさんと呼ばれています。
80歳。最近国籍を取得されたので日本人です。
50年前、アメリカから日本に来て新興の日本企業を調査しました。その時、
「日本的経営」は日本独自のものであるが優れた合理性を持つ、やがて日本
企業は世界をリードするようになるだろう、と予言しました。ドラッカーや
エズラ・ボーゲルよりはるか前の話です。その後、アベさんはボストン
コンサルティンググループ(BCG)日本法人の初代社長として、日本に経営
コンサルティング事業を根付かせるのに大きく貢献しました。そのアベさん
が執筆した本が『新・日本の経営』なのです。失われた15年といわれる90年
代以降、実は多くの日本企業において大胆な改革と収益向上が実現する一方、
日本的経営の長所が守られていることが豊富な実例で語られています。
いま、人口減少と財政破綻に向かう日本に未来はないように見えます。
しかし、ここに大いなる逆説が潜んでいるのです。BRICs(ブラジル・露・
印・中)の成長と先進国の少子高齢化、資源や一次産品の不足と価格高騰、
環境問題の深刻化など、21世紀の課題そのものが日本企業の大きなチャンス
になりえるのです。
世界の民生用の石油の半分は自動車に使われています。中国とインドが
自動車社会になりつつあるときに、世界でエコカーが必要なのは明らか
ですが、いま現実にエコカーを作っているのはトヨタとホンダだけです。
ことにプリウスがすごい。ライバルメーカーが軒並みプリウスのエンジン
を積む日も遠くないかもしれません。そうなれば「プリウス・インサイド」
です。
また、高齢化で熟練技術者が引退していくとき、世界の工場でロボット化
が進むのも自明のことでしょう。ロボットもファナックなどの日本企業の
独壇場です。
一次産品の価格上昇と増産も続くでしょうが、掘る、運ぶ、加工する、
といった分野のトップにも日本企業が並びます。かつて原油価格上昇は円安
に直結しましたが、昨年来の上場局面においては円高でした。日本経済の
省エネと石油備蓄体制はオイルショック当時よりもはるかに強いのです。
一足先に人口減少社会に入る日本が、売り上げが減っても利益が増える
企業社会、つまり、資源消費を減らす社会に到達する先進国の中で、最短
距離にあります。環境問題への取り組みが遅れているアメリカや中国と
比較して、日本の強みになりえます。
つまり、21世紀の日本の成長パターンもようやく見えてきました。しかも、
日本企業は今季史上最高の収益を上げると予想されています。ところが
日経平均はいまだに15年前のピークの約四分の一強に過ぎません。
なぜ日本株は上がらないのでしょうか。破綻に向かう財政が暗い影を
落としているからでしょうか。たしかに、公的部門はいまだにその優秀な
能力を、予算獲得、民間で言えば費用最大化に発揮しています。「民営化」
にもかかわらず、高速道路で徴収した税金を高速道路に使わず、世界一高い
通行料金を取り続けるような財政運営がいい例です。節約をした官僚や
部局、政治家が出世し、評価され、当選する仕組みがないからです。
かつて民間でも野放図な多角化や事業拡張を繰り返して多くの企業が破綻
しました。しかし、そこで企業は費用を減らして収益を上げることを評価
する仕組みを導入して復活してきました。今度は政と官が気づく番なのです。
そのとき財政破綻の恐怖からの出口が見えてくるでしょう。
公的部門の本当の改革も出揃い、日本への評価が一変して株が上昇すれば、
年金・保険・消費・雇用・税収などが好転します。財政危機も緩和される
でしょう。日本は株式会社を根幹とする資本主義国だからです。
アベさんに初めてお会いしたのは25年前、学生の私がBCGでアルバイトを
していた時です。またお会いしたいな、と思っていたら、先日、竹村健一
さんのラジオ番組にお呼びいただいたときにお目にかかれました。
うれしかったです。大先達なのですが、ひそかに朋友と思っています。
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┃週刊『金融財政事情』3月21日号に、ライブドア問題について寄稿しました
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3月21日発売の週刊『金融財政事情』(3月21日号)の特集「ライブドアVS
フジテレビ攻防の含意」に寄稿しました。
テレビのインタビューなどでは伝え切れない点にも触れています。
ご覧になっていただければ幸いです。
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┃『ビッグコミックビジネス』(小学館)「新・日本経済入門」第3章
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小学館『ビッグコミックビジネス』ビッグコミックオリジナル増刊号
(3月28日(月)発売)に山崎が監修した
「新・日本経済入門〜大逆転時代サバイバル編」
第3章 未来を見抜くマクロ地図の作り方
監修:山崎養世 脚本:西郷佐武郎
石ノ森章太郎プロ作品 作画:シュガー佐藤
が掲載されました。
拙著『勝つ力』(ダイヤモンド社)で説明した「マッピング」を思い切り
わかりやすく盛り込みました。先の見えないこの時代を生き抜くために必要
なマクロ地図の作り方を提案しています。ご一読いただければ幸いです。
また、ビジネス・サプリメントとして、自分自身の人生を切り開くために
必要なミクロの地図を作るための、簡略版「自分シート」も付いています。
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