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____山__崎__通__信_______________2005.08.11_
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関係者様
号外をお送りいたします。
お知り合いの方にも、このメールを転送いただければ幸いです。
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┃郵政民営化と盆栽
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盆栽は部分の芸術です。盆栽は中国で生まれ、日本で発達しました。中国で
は、風景全体を作り出す「盆景」の一部に過ぎなかったのですが、日本では
一本の木に自然と宇宙を表す盆栽になりました。全体にこだわる中国文化と
部分にすべてを込めようとする日本文化の違いでしょうか。
郵政民営化が否決されて解散総選挙となりました。一大事です。
一方で話題にならないのは、その前の週に自民党が発表した憲法改正案
です。想像の世界の話ですが、これが中国であれば、総選挙の争点は憲法
改正でしょう。国の将来をめぐって、すさまじい権力闘争が始まるかも
しれません。ところが、日本の総理大臣が、憲法改正を差し置いて、
最も大事とするのは郵政民営化です。郵政民営化という部分に、国全体
の形が現れるからだといいます。こうしてみれば、小泉さんはまさしく
日本人代表です。けっして変人ではありません。
たしかに郵政民営化には、日本の問題が集約されています。財政赤字と増え
続ける国債を最大の経済問題と考え、財政投融資がその最大の原因と考えた
小泉さんの発想は正しかったでしょう。官から民へというスローガンも支持
されています。それなのに、国鉄民営化のときのような支持が起きません。
分かりにくいからです。国鉄は赤字で財政負担を増やしましたが、郵便局は
官には珍しく黒字で国庫に貢献してきました。アメリカでさえ郵便局は国営
にしているのに、なぜ民営化しなくてはいけないのか、説得力のある説明は
ありません。逆に、地方の反乱が起きました。民営化・効率化という言葉の
裏に、地方切捨てと大都市・富裕層優先のにおいを感じ取ったので、地方の
反対が強いのではないでしょうか。そうした声が、最も自民党的な議員たち
を動かしたのではないでしょうか。
そもそも今回の郵政民営化は、小泉さんのかつての主張からはかけ離れて
います。世界最大の国営金融機関・財政投融資の中心にある財務省の抜本
改革を行うはずだったのが、手付かずの状態です。特殊法人のための国債
(財投債)を年間40兆円も発行し、道路公団などに貸し付けてきたのは
財務省です。他の国債と見分けがつかないから、郵貯だけでなく年金や個人
や銀行もどんどん買っています。そのお金を財務省がノーチェックで特殊
法人に貸すので、道路公団に見られるように談合で年間何百億円も無駄遣い
しても平気なのです。こうして民から官にお金を吸い上げる仕組みは、
郵政民営化と関係なく続きます。ここが変わらない限り財政再建が見えて
こないのは、小泉さんもご存知ではないでしょうか。郵便局をスケープ
ゴートにしてもむなしいだけです。最初からやり直すべきです。私も
こうした問題点や解決策を国会の参考人質疑などを通して指摘して
きましたが、広く理解されているとは思えません。
はたして郵政問題は、すばらしい盆栽のように宇宙全体を表し、空間を支配
するものに仕上がっていくのでしょうか。部分にこだわる日本文化の長所は、
現実性とスピード、つまり変わり身の早さです。中国やインドが深遠な哲学
的・神学的な政治闘争を繰り広げた間に、近代国家を二度作り上げました。
日本が弱いのは、走り出した方向が間違ったときです。郵政問題は、財政と
経済の再建に向かうのでしょうか。
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┃『だまされるな!郵政民営化』(新風舎)怒りの緊急出版!
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自民党の荒井議員とはこれまでの経歴や考えも異なりますが、このままでは
日本が破綻する、地方から日本が元気にならなければ日本に未来はない、
という危機感を抱いているという点では共通の認識を持ち、この度の対談本を
出版するに至りました。
現状の郵政民営化の問題点を糾弾しつつ、官も民も超えた第三の道を提言
しています。
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『だまされるな!郵政民営化』(新風舎)990円(税込み)
元ゴールドマン・サックス投信株式会社社長 山崎養世
自民党 参議院議員 荒井広幸
コーディネーター 日刊工業新聞社 論説委員 八木澤徹
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