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榊原 英資 氏のスピーチ全文
実は、山崎さんの無料化論というのは、決して荒唐無稽な議論でも、非常識な議論でもなく、世界の常識なんです。高速道路が無料だというのは、先ほど北川氏がおっしゃっていましたが、高速道路はフリーウェイ、基本的にタダなんです。一部、整備費とか補修費を取るにために、若干の高速料金を取る場合はあります。ニューヨークでもケネディ空港から行くと若干取られますね。これは何百円の単位で、東名(高速道路)のようなことはしてないわけです。

ですから、日本は極めて非常識なことをやったんです。山崎さんが言われていた通り、非常識なことをやったのは、田中角栄です。田中角栄は道路財源を作っただけではなく、道路公団も作ったんですね。有償資金で道路作っている国なんて、世界中どこにもないですよ。

私は実はね、為替のイメージばかり強いですが、16年前、資金二課長をやっていたんです。資金二課長は道路公団にカネを貸す担当課長なんですよ。その時私が何て言っていたのかといいますと、「こんなカネ返ってこないよ。」って言ってたんです。さっき山崎さんが借り換えするといいっておっしゃってましたが、まさにその時(私は同じことを)言ってたんですよ。30年ローンで固定金利なんですよ。あの頃は5%か6%ですから、「お前30年で6%で貸すのはまずいだろ。せめて変動金利にしろ。」って言ったんですよ。変動金利にしていれば、今頃1.5%になっていたんですね。ところが、あの頃理財局の中で「榊原が変なこと言い出した、変動金利になんてされたら大変だ。」ということになり、僕は大激論しましたけど、敗れたんです。それを彼が今、国債で借り換えろと言っている。あの時変動金利にしていれば、そうなったんです。

これが常識なんです。30年の固定金利で貸すなんていうのはおかしいんですよ。ですから、山崎さんが言っているのは全くの正論であって、僕にはこれが異端の議論だとはとても思えない。やっぱり最初に彼が言ったことは、世界の常識は日本の非常識なんですね。僕は必ずしも世界の常識に全部戻れって言っているわけじゃないですよ。日本的なものがあってもいい。でも、これは世界の常識に戻るべき。

それと、もうひとつ重要なことは、日本経済の最大の問題はコスト高なんです。その最大の問題はやっぱりトランスポーテーションコストなんです。有料道路代が高すぎる。上海から福岡に持ってくるよりも、福岡から東京に持ってくる方が高いわけですから。ですから、日本で高いのは、有料道路代、空港使用料、港湾の荷揚げ(料金)。つまりトランスポーテーションが高いことによって、企業が大変なコストを払っているんですね。その分だけ、価格が高くなっている。だから日本経済を本当に活性化するためには、やっぱり高速道路を無料化するわけです。

僕は本四架橋を作ったときの課長でした。それはダメですよと、反対したら建設省のヤツがやってきて、「榊原さん、もう自民党と握ったんですから、こんなところで反対してもあなたのクビが危ぶまれますよ」と言うんです。まあ、そうかと、しょうがないと、貸付けることにしたんです。ですから僕は結構責任者なんですよね。抵抗はしたけど、結局敗れたという、そういう責任者なんです。本四架橋なんかは、もう作っちゃったんだから、僕は作らない方がいいと思ってたんですよ、でも、作っちゃったんだから、使わなきゃいけない。東京湾横断道路も作っちゃったんだから使わなきゃいけない。これも無料にして、日本経済全体のコストを下げるわけです。

これはどんな減税よりもいいですね。これはある種の減税なんですよ。つまり10兆円あるわけですよね?一般会計その他から出してる予算が。そのうちの2兆円くらい使えば返還できるわけです。10兆円のうち2兆円って2割でしょ?2割道路建設減らすってことでしょ。減らしたくないんだったら、2割コスト下げればいい。入札の仕方を変えれば2割くらい下がりますよ。これは本当にそうですよ。変な法律を全部崩して、ホントの競争入札にすれば2割なんて簡単に下がるんです。そうすると道路建設を減らさなくても、入札の仕方を変えてやれば、実は無料化できるんです。これは極めて現実的なんです。決して荒唐無稽じゃない。そこを皆さんに分かって欲しいんです。

実は道路公団についても、本四架橋についても責任者のひとりである私が言っているんだから間違いない。私が昔役人としてやったミステイクを、まあ私は気が付いてたんですがミステイクには・・・。ミステイクを今山崎さんが正してくれる。しかもこれは政権交代があれば出来るって状況になったわけですね。ですから僕は今度のマニフェストで一番面白いのはここだと思うんです。北川さんもさっきおっしゃってましたけど、これは完全に対立するんです。道路公団の民営化ほどナンセンスなことはないんです。道路公団を民営化しろっていうのは、要するに線路だけしか持っていない国鉄を民営化するっていうのと同じですからね。そんなことできるわけないんです。

結局民営化っていうのは、有料道路の永久税金化なんです。だから民営化路線っていうのは、永久に税金として有料道路代を取り続けるということです。山崎さんの案は歳出を減らして減税をしますというわけです。しかもこの減税は非常に経済効果があるんです。所得税減税より効くと思います。あるいは消費税減税よりも効くと思います。企業のコストが直接下がるわけですから。個人が例えば観光に行くなんていうときに、安くいけますから、個人のコストも下がります。

ですからこれは極めて効率的な減税案なんです。極めて効率的な地方活性化案なんです。僕は「快走論」も読みました。ともかく全面賛成です。しかも専門家からみて、あまり問題がない。つまりこんなもの荒唐無稽だって自民党の人たちが言ってますけど、頭が古いっていうか、まあ財務省にだまされてるんです。財務省の人たちに言われてるんですよ。「きっと、どっかおかしいから探せ。」と。彼も言ってましたけど、役人っていうのは人のアラを探す名人ですから。

いずれにせよ、これは極めて常識的なんです。世界の常識に我々が戻れるのか、田中角栄が作った奇妙な土建国家にいつまでも浸っているのか。それが今度の無料化VS民営化論。ですから、ぜひ皆さん、山崎さんの案を応援してあげてください。これが常識なんだと、世界の常識なんだということを一般の人に言ってください。彼もファイナンスの専門家ですが、僕も公的ファイナンスの専門家です。この二人が言うんだから、間違いありません。ぜひよろしくお願いいたします。
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