■料金所がなくなる効果は、渋滞解消の面でも無視できません。
出入口の数がいまの4~5倍になり、料金所が消えた姿を思い浮かべてみましょう。統計によれば、日本の場合、飛び飛びの料金所にクルマが集中して、そこで停止してお金を払う仕組みが一般的ですから、渋滞の原因の30%は料金所にあるといわれています。いろいろな場所からノンストップで出入りできる高速道路なら、特定の場所を除いて渋滞は、いまよりもずっと緩和されるはずです。例えば、高い料金がヤリ玉にあがっている「アクアライン」ですが、これが無料化されれば、都心の混雑を解消させる“バイパス機能”が発揮されます。「圏央道」も同様ですね。いずれも十分なネットワークやショートカットの役割を果たすには、計画ルートの完成が待たれますが、いまある部分だけでも無料化すればかなりの効果は期待できます。
■大都市圏の首都高速や阪神高速は有料制を維持します。
問題は大都市圏の首都高速(料金700円)や阪神高速(湾岸線通し割引料金1400円)の扱いですね。こうした地域では、渋滞対策と排気ガスの抑制のためにも現在の有料制を維持するほかに、混雑時や排気ガスの多い車両に対しては別立ての料金(ロード・プライシング)を設けることも考えてもいいと思います。
首都高でも特に混雑する区間は曜日や時間帯が決まっています。こうした区間には、ETCを積極的に導入するなど、重点的な緩和策をとっていくべきです。 |