■民営化は、いまの借金の「飛ばし」にすぎず、半永久的に有料化されますから、もちろん反対です。
高速道路の基本法に立ち戻る「無料化」という選択肢を最初から視野の外に置いたいまの民営化推進委員会のあり方に大きな疑問を感じます。法律から大きく逸脱した今の有料制度を永久化するのが民営化なのです。
民営化の話し合いのなかで、わたしが最も異議を唱えたいのは、いまの40兆円の借金をそのまま、「保有・債務返済機構」というところに引き継がせようとしている点です。これは、国鉄を民営化して28兆円の借金を国民に押し付けたときと同じ手法で、今回はその額は、将来の金利を入れると120兆円にも膨れ上がります。これは、金融機関がこっそり子会社に不良債権を移す「飛ばし」そのものであり、民営化が根本的な解決にはならず、むしろ構造問題の膿をそのまま放置する結果を招くことは明らかです。
民間企業が高速道路を運営することは、有料化を半永久的に認め、わたしのいう「高速道路を生活道路に変える」チャンスを放棄することになります。道路公団ファミリー企業がSAやPAを独占的に運営する体制も更に拡大していくでしょう。本来はオープンであるべき高速道路を利用したビジネスから国民を締め出すことになるのです。 |