快走論 Q&A
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「日本列島快走論」に限らず、今後急速に高齢化する日本社会では、高齢者への配慮は避けられないと思います。日本列島快走論と高齢化社会の関連について知りたいのですが。
山崎養世からの回答
■ 大変重要なご指摘です。わたしの「日本列島快走論」は高齢化社会の救世主になるという面も持ち合わせています。

日本列島快走論の最終目的は、「東京一極集中」を推し進めてきた、この国のかたちを根本的に変えることです。国土のわずか3%の土地に全人口の65%が住む、いまのゆがんだ大都市現象を改める起爆剤が高速道路の無料化と都道府県への道路財源と権限の委譲なのです。
なぜ、高齢化社会の救世主になるかというと、人間にとって最も基本的な「住まい」の問題の大きな解決策が高速道路の無料化だからです。新幹線通勤が珍しくなくなったように、大都市の喧騒を離れて「職場は都市、住まいは田舎に」と考える人は年々増えています。しかし、いまの新幹線の通勤定期代は会社の補助なしには、誰もが負担できる金額とはいえません。
これが、高速道路を無料で通勤に使えることになったらどうでしょうか。大都市部の入り口に近い駅付近に低価格の駐車場を整備して、いわゆる「パーク・アンド・ライド」方式で通勤できるのです。例えば、軽井沢や那須方面に自宅を構えて、都市部の入り口で車からバスや電車に乗り換えて通うことが可能になります。

■ 増設された出入り口に雇用の場ができれば、あえて都心に通わなくてもいい。真のカントリーライフが実現できます。

多くの方は、一定の年齢を重ねたら伸び伸びと自然に囲まれて暮らしたいと思うでしょう。その対極に最近の「都心回帰」現象がありますが、老後はより便利な都会暮らしを求める層がいる一方で、本来の田舎暮らしをしたい人も多いはずです。高速道路の無料化は、地方に移住してそこそこの通勤時間で職場を確保できる“地方分散”を強力に後押しする政策でもあります。無料化に伴って民間に開放される出入り口付近には、「新しい町」が生まれ、多種多様なサービス業が競い合います。たとえば、木更津の出入口付近に一戸建てを買って移住して、アクアライン経由で横浜や川崎付近の出入り口にある会社に通勤することも夢ではなくなります。このように、中高年に様々なライフスタイルの選択肢をもたらすのが、高速道路無料化の効果だと理解してください。
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