【第17話】無料化の経済効果 | 2004年06月16日更新 |
日本で高速道路の無料化が実現したときの経済効果は、戦後の米国に比べてもはるかに早く大きくなるだろう。 まず、すでに高速道路の主要部分が完成しているため無料化すれば即時に生活道路として使用できる。米国並みに出入り口を3キロメートルに一つの割合で、2500カ所程度に増設すれば、出入り口までの時間が大幅に短縮され、一般道路との接続が改善する。無料化されればもちろん料金を徴収しなくなるため、料金所での渋滞自体がなくなる。今ある道路システム全体が便利に使いやすくなる。新しい道路を作る必要性も大幅に下がり、財政負担が減る。 高速道路の無料化が実現したときに日本で最大の経済効果が期待できるのが木更津を中心とした千葉圏である。木更津市だけ見ても、その経済効果は巨大である。木更津の地価が浦安の半分まで達した場合の経済付加価値を大雑把に試算しただけでも8兆6200億円に達する。千葉県南全体、あるいは対岸の神奈川および東京を含めた東京湾岸全体の経済効果は巨大である。首都圏の不良債権問題の解決の切り札になるだろう。 そして、2兆5000億円という現在の通行料金の負担がなくなることは、高速道路の無料化による経済効果の氷山の一角に過ぎない。なぜなら、実は、現在、乗用車交通の12分の1しか高速道路は使われていないためだ。高速道路の使用率が低いのは、高くて不便だから使用しないドライバーがほとんどだからだといえる。これに対して料金を価格に一部転嫁できるトラック輸送では高速道路の使用率は50%に達する。 |