山崎 Voice Now
【最終話】知事の時代が来る 2004年06月23日更新

道路財源は、年間9~10兆円の予算が組まれている。そこから、高速無料化のための費用となる約2兆円を差し引いても、地方交付税とほぼ同額の年間7~8兆円の予算が残る。この予算を都道府県に配分してみてはどうか。道路特定財源を都道府県に一括交付金として平均して配分した場合、年間約1500億円が自治体の予算となる。

そこで、自治体には、不要な道路建設返上権や地域開発計画に関する権限を増やすことで、効率的な道路建設を促す仕組みを作る。道路建設の予算が余った場合、その分を介護や教育などに使えるよう一般財源化すれば、最小限の財源で、最大限の効果が得られるようなインセンティブが働くはずだ。

そして、国土交通省が各知事に対して定量的、定性的な評価を与えることで自治体間の競争が起き、効果が高まる。
「所得効果ランキング」、「税収アップランキング」、「生活向上度ランキング」など、あらゆるランキングをとることで、知事は国からも住民からも監視されることになり、緊張感が生まれるはずだ。
しかも自治体は、自ら地域開発の計画を作ることでサービスエリアやパーキングエリアを公開入札などによって広く民間に開放すれば、多角化し収益を上げることも可能となる。
道路建設と地域開発の両方を自治体が担うことは、真の三位一体を実現する突破口となる。知事の時代がやってくるのだ。

バックナンバー
【最終話】知事の時代が来る
【第22話】審判とプレイヤーは別に
【第21話】公団廃止、職員はどうなるの?
【第20話】広がる交通手段
【第19話】無料化が生活大国を作る
【第18話】無料化は農林水産業復活の切り札
【第17話】無料化の経済効果
【第16話】年金・簡保への影響なし
【第15話】今がチャンス、国の肩代わり
【第14話】連結決算で財政再建も
【第13話】どうやって高速道路を無料にするの?
【第12話】アクアラインが無料になれば‥
【第11話】法律を無視して作ったプール制の弊害
【第10話】一時的措置のはずの有料制
【第9話】米英独は高速無料で公団もないって知ってますか?
【第8話】料金と税金の二重取り
【第7話】公共事業と政治家
【第6話】経営多角化という独占
【第5話】民営化のからくり(4) 詐欺まがいの上場
【第4話】民営化のからくり(3) 公団の粉飾決算
【第3話】民営化のからくり(2)‐II 借金の怖さ
【第2話】民営化のからくり(2)-I 吸収できない40兆円の借金
【第1話】民営化のからくり(1) 借金の飛ばし

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