【第21話】公団廃止、職員はどうなるの? | 2004年06月21日更新 |
道路四公団の借金が返済され、高速料金が無料開放されるということは、同時に道路四公団という組織の役割の終わりを告げることを意味する。道路四公団の職員数は約1万人。ファミリー企業の従業員も合わせると約6万人の雇用問題が発生する。これは、旧国鉄の民営化の際に約50万人の再就職先が懸念されていたことに比べると、はるかに規模が小さいと言える。そうは言っても、ある日突然解雇されるというのでは、家族を抱える職員1人1人にとっては人生を揺るがす大きな問題だ。しかし、雇用の問題を解決することはそれほど難しくない。 公団の業務については、まず、料金無料化で料金徴収業務は原則廃止となる。ただし、交通渋滞が著しい首都高速道路、阪神高速道路など都市圏については、課金(ロードプライシング)し、料金徴収業務は入札によって民間委託する。サービスエリアやパーキングエリアは自治体へ移管し業務の多角化を促す。 そして、高速道路を無料化すると共に、出入口を3キロメートルに1つに増設した場合、既存のインターチェンジと併せて全国に2500もの出入口ができ、その出入口を中心に新しい町ができる。周辺地域は注目され地域開発が行われる。そうすれば、新規事業を通して雇用のチャンスはいくらでも生まれるのだ。 出入口が増えることで高速道路の利便性が高まるが、さらに、高齢者など車を運転できない人のために、鉄道路線やバス事業との連携を高める必要がある。高速料金無料化と同時に、効率性や環境に配慮した交通体系を確立する。高速道路の出入口にバスターミナルを作り、通勤や通学などを目的としたバス事業を開始し、出入口に駅のような機能をもたせる。鉄道網と高速道路の連携を高めるため、鉄道会社に地域開発の優先権を与えることで、鉄道会社のバス事業参加を促す。そうすれば全国2500以上の出入口周辺に新たな町ができる。そこへ公団職員が優先的に雇用されることが望ましい。バス事業ではエコバスを促進させ、環境問題と地域開発を一体化させた総合陸上輸送機関への合理的脱皮を図ることができるだろう。すると、公団職員は新しい町で、道路四公団の料金徴収などのルーティーンワークよりも、はるかに「やりがい」のある仕事に就くことができるのである。 |