【第20話】広がる交通手段 | 2004年06月18日更新 |
高速道路を無料化するということは、必ずしも、車だけの社会を作るというわけではない。むしろ、ドイツのように車社会のTPOをわきまえた、人と共生・共存した社会作りを提唱したい。 ドイツで強い印象を受けるのは、ミュンヘンに見られるように、古い街の中心では、車の進入は規制されているところが多いことだ。そして、自動車道の脇には、自転車専用道路や歩行者専用道路が設けられている。都市部では、人が歩くことを中心に街が作られ、都市と都市の間はアウトバーンと呼ばれる無料の高速道路で早く移動することができるようになっている。しかも、交通事故率は、一般道と比べると、高速道路は比べものにならないくらい低い確率となる。 日本の高速道路には、料金が高いほかに、決定的な欠点がある。新幹線型であることだ。降りられないから沿線はなかなか発達しない。 まず高速道路をタダにする。それだけではない。出入口を大幅に増やして一般道路との接続を格段によくすればどうだろう。今は10キロに一つしかないが、アメリカ並みに3キロに一つ作れば全国に新しく1800の新しい出入口ができる。無料化で料金所がなくなれば工事も簡単だ。 そこへ、電車、バス、貨物の連携を強めると、「モータルシフト」と呼ばれる現象が起きる。 |